<span class="hpt_headertitle">創観08.リアル愛</span>

創観08.リアル愛

 

愛は リアルだ

 

愛は 想うだけの 役立たずではない

 

愛とは 現実そのものであり

実態そのものだ

 

「愛で 食えるか」

なんて言葉を よく耳にするが

「愛でこそ 食える」のだ

 

愛でこそ 子は育ち

愛でこそ 人間も育つ

私は 農業も 畜産も 研究していたが

動植物でさえ

愛情なくては 育めない

愛は 生きる糧そのものだ

 

企業の力とは 結果、

ひとりひとり個人の 人間力の結集であり

その結集の力もまた

愛情によって 団結心、団結力として

企業に 定着するのだ

 

愛情によって育まれた 企業力は

愛情に溢れた 社会を創造する

愛情に溢れた社会は

私たちの未来、子供たちの未来を

持続可能とし

永続する未来を 保証するだろう

 

 

人生は「ビジョン」を 持つことによって

その価値を拡大し

それに基づく「意志」によって 強くなる

 

そのビジョンさえ 愛から 生まれている

 

愛は 全ての生みの親であり

育ての親なのだ

 

 

十数年前の講演会でのことだ

その講演会は

経営者だけを 対象とした 講演会だった

 

当時、私は

三十代になったばかりの 若者だった

会場に立ち入るや否や

講演会の中心となっていた

風格ある会長に こう言われた

 

「きみ  お茶を 出したまえ」

 

私は 「はい 承りました」と言って

迅速に 走って ホテル スタッフに

お茶の手配を 頼みに行った

 

会場に 息づかい荒く 戻ると、

丁度 司会者から

私の 紹介が入り 講演会が 始まった

私は 呼吸を 何とか 整えながら 話し始めた

 

すると お茶を頼んだ 会長が 一言、

 

「きみは

ホテルのスタッフじゃないのかね」

 

会長は 余りにも若い 私を

スタッフと 間違えていたのだ

 

微妙な 笑いが交錯する中、

私は 返事を返した

 

「いいえ 私が 今日の講師です」

 

会長は かなり リアクションに困りながら

勘違いした自身に ウケながら

軽い謝罪をし 講演会が始まった

 

講演会が始まると 一旦は 静かに聞いていた

経営者たちだったが

15分も立たぬうちに 歓迎してるとは

到底 思えぬ態度をとり始めた

 

講演会では

アウェーは 時折 見かけるものだが

私は 気に止めることをせず話し続けた

 

すると ひとりの社長に

クレームを厳しくつけられた

 

「お前の様な 若造に 何が分かるのか」と

 

始めは 穏やかに 私も応えたが クレームが

明らかに 苦情となっていったので

私は わざと 大声で叱りつけた、

しかも二十歳は年上の 大先輩にだ

 

彼は びっくりしつつも

「偉そうにするな」と 苦言を続けた

 

私は わざとらしく

親が 子を叱る様に 言った

 

「社会人であるならば、

その幼稚な態度を 改めなさい

しかも 大企業の社長であるならば

尚更 礼節を 持ちなさい

この講演を 心の耳で 聴きなさい、

この講演会を 聴き終わり

その時点で 納得して頂けなければ

受講料は 頂きません、よろしいですか」

 

彼は ムッとしつつも

「分かった 続けてくれと 」と

私の 言葉に従った

 

そして 90分の 講演会が終わった

 

「これで 私の お話しを 終わります」

 

と 私が 頭を下げ 挨拶すると 突然、

 

スタンディング オベーションの拍手が

私と 会場を 包んでいた

 

私は 込み上げる気持ちを抑え、

「何度も 有り難うございます」

と 御礼をした

 

講演会は 大成功だった

 

 

そして 拍手が終わると

中心となっていた 会長が

私のそばに来て 話し始めた

 

「私は 彼を どんなに若かろうと

金城先生と 呼ぼうと思う

彼は 正しく 先生と呼ばれる方だ、

ここにおられる 諸君は

7割が 社長職で 3割が 会長職だ

金城先生の講演内容は

私が 社長職にあった頃ならば

仕事のみに溺れていたがゆえ、

5割を理解することが

せいぜいだっただろう

私は 今 会長職となり 経営というものを

客観的に 観ることが 出来る

だからこそ 人生にとって

何が 一番 大切なのかが 見えている

金城先生は 運営と 経営の違いを

今日の 講演会で話されていた

 

「運営は 業務、業績、会社を観る

だが、経営は 人間と 愛徳を観る」

という言葉は

 

私は 会長職となって始めて 悟ったことだ

私が 会長職となり 人生の悔いを 言うならば

社長職であった頃に この境地で

つまり 運営のみに溺れる社長 ではなく

経営の意味を知る

社長で あるべきだったと思うことだ

諸君には 私と 同じ道を 歩いてほしくない

だからこそ 真の経営者とは

どんな人間で在るべきなのか

この機会に 魂に 深く刻んで頂きたい

 

さて この機会を 更に 真の機会とすべく

懇親会を この後 致しましょう

ひとりの人間も 欠ける事無く

宜しく頼むぞ」

 

会場は 更に 大きな拍手が 鳴り響いていた

 

 

そして 講演会の始めに

クレームをつけた 社長が 私のところへ来て

こう言った

 

「金城先生、クレームを出して

本当に良かったです

クレームの後 先生が白熱して

私を叱りつけたので

私も じゃぁ 聴いてやろうじゃないか、と

超 ムキになって

結果  思わず 全身で聴いちゃいましたよ

お陰で 会長の言う通り、

何が一番大切なのかを 弁えられた

社長で在ろうと 心から思いました

有り難うございます

それから  先生に 叱られた時、

実は 会社を起業したころの

初心を 思い出しました

そして 起業する キッカケを与えてくれた

恩師のことも 同時に思い出しました

何故なら 金城先生の叱り方が

恩師に そっくりだったからです

社長にもなると

社交辞令的な 機嫌とりはされても

叱られるなんて経験は まず

あり得ませんからね

お陰で 経営者の孤独感も 寂しさも

吹っ飛びました

苦言に 真摯に 応えてくださり、

本当に 本当に 有り難うございました」

 

私と その社長は 互いに 眼を潤ませながら

堅い握手をかわした

 

 

私は この若者に この場を与え

この機会を 与えてくれた方々と

心を傾け 聴いて頂いた方々へ

深く 感謝をした

 

その時の 感謝は

今でも 昨日の事の様に

私の心に 生きづいている

 

「だからこそ 人生にとって

何が一番大切なのかが 見えている

真の経営者とは

どんな人間で在るべきなのか

この機会に深く 魂に 刻んで頂きたい」

 

この言霊を 伝えた時

会長は 涙を流していた

 

 

 

私の 講演会や セミナー、カウンセリングは

親力 や 子育て関連であろうと

人間学であろうと 企業向けであろうと

その基本は 「愛」だ

 

愛は 古今東西、

いつの世も 至高なる 経済学だ

 

愛は 決して 古くなることはない

 

そして 生命学上、無限の 資源だ

 

愛とは ひとつであること

そして 一体性だ

 

生命とは 繋がりだ

 

愛 と 生命 は エネルギー と 実態だ

 

愛とは 生命のエネルギーであり

 

「生命とは 愛 の 実態だ」

 

 

この事実を 理解出来るのなら

 

あなたは 愛の塊 ということを 理解する

 

 

さて あなたは 個人として

成立する命だろうか

 

命は けして独りでは 成り立たない

 

命は 支え合って 成り立っているのだ

 

愛とは

話すこと

 

愛とは

行動すること

 

愛とは

関心を持つことであり 関わること

 

 

人生に 「見学」の 二文字は 存在しない

 

行動を、体験を

そして 経験を 人生としなさい

 

 

思いは 想えることを 生む

 

想えることは 行動する時

 

エネルギーそのものとなる

 

その エネルギーの正体こそ

「愛」と よばれるものだ

 

 

愛は 漠然としたものではない

 

愛は リアル だ

 

リアル愛、あなたも 生きませんか。